【日記】梶川さん

| 2010/03/04



ホヅプロでお世話になった大工の梶川さんが他界されました。
謹んでご逝去を悼むとともに、あらためて御礼申し上げます。

梶川さんとの出会いは、ホヅプロ立ち上げ当初の第1期寝どこ作りの頃です。
当時、初めての建築担当をしていた僕にとって、
その訛りの強すぎる伊賀弁と職人言葉を厳しい口調でまくし立てる梶川さんは恐怖という他なく、
とんでもないプロジェクトを任されたものだと挫けそうにもなりました。
それほど梶川さんの現場に対する姿勢は厳しいものでした。

ですが、それがシャイな梶川さんなりの優しさであったことに気付くのに、
それほど時間を必要としませんでした。
ものづくりの厳しさとその難しさ、そして安全が何よりも優先されることを
教えようとして下さったのに違いありません。

第1期の作業以降、現場でお世話になることはありませんでしたが、
時折製材所に顔を見せては少しずつ変化していく現場とホヅプロメンバーを眺めて、
少し照れたような表情を浮かべていたことが、今でも印象に残っています。
現役を退いた無念さと、プロジェクトが軌道に乗り若手が育っていく安心感が混ざったような
複雑な表情でした。

今年からホヅプロは製材所の整備を一旦終えて、いよいよ実際に運用を始めます。
これからも梶川さんが教えて下さったものづくりに対する厳しい姿勢を崩さず、
そして梶川さんが残してくださった寝どこを大切に使って、有意義なプロジェクトとしてまいります。

ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。


ホヅプロ一同